私たちは、現場を知らない専門家の言に左右されてはいないでしょうか。真の国際人とは、現場を熟知している人々です。私たちはまた、将来の方向性が見えません。企業レベルでは、情報も不足し、迅速な意思決定のプロセスやコミュニケーション能力も失いつつある中、リスクの議論ばかり先行して、肝心の行動に移せない現実があります。
私たちは豊富で様々な情報に囲まれていますが、現場の情報が不足し、現実にミクロ・レベルで今何が起きているのか、その情報から取り残されつつあります。しかも、私たちは情報はただで入手できるものと思い込み、情報を入手しようとする努力を怠りがちです。情報社会の初期段階の中で、そのルールや規範が確立されておらず、情報に振り回されて行動できない現実があります。
私たちは新しい国際化プロセスの中に身を置いて、その国際化の概念も変質しつつ、社会の混乱に身を置いています。現代のビジネス社会では、ボーダレス概念が確立され、いろいろな価値観が入り乱れています。更に情報化社会が進行することで、政治不信の増幅、の混乱や世代間の対立などを通じて、私たちの信頼関係は崩れつつある現実があります。
私たちはお互いの信頼とこれに基づく行動の意思があれば、この新しい国際化のプロセスの中で真の国際人になれると思います。国際社会は、どのように変質しようとも、お互いの信頼と行動する意思に依存しています。これに気づいたものが、これらの人々をネットワーク化させることで、国際社会のニーズに対応するが可能になるのです。
国内の市場は、少子高齢化の圧力の中で成長は見込めません。他方国際市場にはまだまだ成長する市場があります。私たちは、国際市場に経験がなくとも、正しい情報と戦略とパートナーを有すれば、国際市場でのプレーヤになることができます。このためには従来のビジネス・モデルから脱皮し、またこれまでのパートナーとの関係を見直すことで、より統合化された効率的ネットワークの中で持続可能なリソースを共有することが可能となるのです。